韓国ドラマのイラスト化？PixAI新モデル「Serin」を使った感想
AIイラスト生成の分野で急速に存在感を高めている「PixAI」。独自のモデル開発やLoRA共有機能などで、クリエイターから多くの支持を集めています。
そんなPixAIから8月15日に登場したのが、新モデル「Serin（セリン）」。透明感ある色彩や柔らかな光影、自然で端正なキャラクターデザインなどが評価され、リリース直後からSNSで話題となっています。
では、実際にどのようなイラスト生成が可能なのか？本記事では、Serinを使った体験をもとに、良かった点や気になった点、さらに表現のコツを分かりやすく整理して紹介します。
Serinの概要
Serin（セリン）は、ブラウザで使える画像生成プラットフォームPixAIの新モデルです。韓国の漫画スタイルであるManhwa（マンファ＝漫画全般）とWebtoon（ウェブトゥーン＝縦読みフルカラー）の特徴を学習しており、透明感のある色使い、柔らかな光、自然で端正な顔の比率を安定して再現します。
韓流ドラマのアニメ版のような雰囲気を素早く表現できます。まずは短いプロンプト＋ソフトライト指定で試し、必要に応じてLoRAで軽く調整すると整いやすいです。
公式サイトURL：https://pixai.art/ja
Serinを触って分かった「良かった点」3つ
- ・写実的なイラスト
- ・韓ドラ感がすぐ出る
- ・背景の奥行きが出しやすい
Serinを使ってみて、良かった点は主に3つあります。ひとつ目は、写実性です。アニメイラストではありますが、現実世界でもいそうなキャラクターを生成してくれます。ふたつ目は、韓ドラらしい雰囲気をすぐ出せること。見た感じが韓流って感じですよね。三つ目は、背景の奥行きを作りやすいというところ。構成の指示もあるのですが、ドラマっぽいシーンが作りやすくなっています。
英語or日本語プロンプトどっちが良いの？
「プロンプトは英語で書くほうが高品質！」そう考えている方もいると思います。ですが今はAIの多言語対応が進み、言語差による出力品質の違いはごくわずかです。上記イラストは同じ内容のプロンプト文を英語と日本語バージョンで出力生成したものです。品質に違いは見られません。
光・色・質感のような細かな指定は学習量の多い英語が通りやすい場合があります。ただし一般的な利用で体感できる差はほとんどないといえるでしょう。
結論として、プロンプトは日本語でOKです。「長くせず、主題・光・色を短く具体的に書く」。これだけで質の高いイラスト生成が可能です。
ケーススタディ～Serinの実力～
Serinは韓ドラの透明感と自然な顔立ちを土台に、少ない指示でも物語性のあるイラストを生成できます。ここからは、①男女2人のドラマシーン、②季節やテーマに合わせたコスチューム替え、③喜怒哀楽の表情の出し分けの3点を、実例ベースで紹介します。
男女2人のドラマシーン
Serinは、男女2人のドラマシーンも美しく描けます。2人の距離感もしっかりと表現できます。表情のニュアンスや会話の間までも伝わってくるようです。海辺を歩くシーン、街中を歩くシーン、恋愛の駆け引きなどもイラスト化できます。「2人、カップル、男女」などの短いプロンプトを入れるだけで韓流ドラマの一場面を再現できます。
コスチュームの変化にもしっかりと対応
Serinはコスチューム替えも良い感じで対応してくれます。スーツ、季節イベントのコスチューム、ドレスアップなど、衣装を切り替えても顔のバランスと雰囲気を保ったままイラスト生成が可能です。
「キャラの基本設定を固定 → 衣装と小物だけ差し替え → 背景は中立で色数を抑える」とシンプルに書くと、構図に関係なく同じ人物の衣替えとして自然に並べられます。必要に応じて髪型や衣装モチーフのLoRAを弱めに足すと、指定がさらに通りやすくなります。
なお、SerinはリリースされたばかりでLoRA追加は限定的です。これからのLoRA利用に期待が集まります。
表情の変化（喜怒哀楽）
Serinは、喜・怒・哀・楽のような感情の違いも自然に表現できます。コツは、最初に感情指示（笑顔、涙、怒り、下向きなど）を指示し、「誰を、どの角度から映すか」を短く決めることです。
たとえば「大人の女性のバストアップ、少し斜め」などを指示します。目線・眉・口の動きを指定するのも効果的です（例：「目に輝きを入れ、眉はゆるめ、口角を上げる」）。
下記は表情を追加する際に使えるプロンプト例です。それほど細かく指示をしなくても品質の高い表情を生成してくれます。
- 喜：目にハイライトを入れる／口角をゆるく上げる／色はやや暖色
- 怒：眉を寄せる／口をしっかり結ぶ／寒色寄り＋コントラストを少し強め
- 哀：目にうるおい（涙の光）／口角をわずかに下げる／
- 楽：目尻が下がる笑顔／口を少し開く／前髪が軽く揺れるなどの小さな動き
FAQ
Serinへのよくある質問をまとめて回答します。
1) SerinとPixAIは何が違いますか？
PixAIはブラウザで画像生成ができるプラットフォームです。Serinはそこで選んで使う韓国風スタイル特化のモデルです。
2) プロンプトは日本語と英語どちらが良いですか？
どちらでも問題ありません。日本語だけでもOKです。細かな「光・色・質感」を強めたい時だけ、短い英語語彙（例：soft light, pastel）を少し混ぜるとイメージ通りに生成しやすいケースがあります。
3) LoRAはいつ・どう使いますか？
髪型・衣装・世界観など特定要素だけ強めたい時に使います。まずはSerin単体で生成してみましょう。付け加えたい要素がある場合は適切なLoRAを選んで追加します。あまり多く使うと制御が難しくなるため、複数使用は2つくらいまでが無難です。
4) 商用利用できる？
使用するモデルによって利用権限が異なりますが、基本的に商用利用が可能です。ただし、実在人物に似せるようにする指示や、ロゴ・読める文字の再現は避けてください。公開前に権利チェックをした方がよいでしょう。
5) 無料で使える？
はい、無料で始められます。 なお、毎日無料クレジットももらえます。大量生成や高機能を使いたい場合は、有料メンバーシップや追加クレジットを計画するとよいでしょう。モバイルアプリも無料DLで、アプリ内課金に対応しています。
6) 公式サイトのツールUIは日本語対応？
対応しています。 アプリも日本語を含む多言語に対応済みです。機能アップデートも多言語で案内されます。
まとめ（所感とおすすめの使い方）
Serinは、韓国ドラマらしい透明感・やわらかな光・自然な顔立ちを簡単な指示で安定再現できるモデルです。男女2人のドラマシーン、季節ごとのコスチューム替え、喜怒哀楽の表情の出し分けまで、クリエイティブ企画に必要な要素を幅広く生成してくれます。これから使用できるLoRAも増えることから、更なるユーザビリティ向上にも注目です。
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